和楽器と西洋楽器の違いとは?和楽器の種類も解説!
日本における楽器は、日本古来の伝統楽器である「和楽器」と明治時代以降に西洋から伝来した「西洋楽器」に分けられます。ところで皆さんは「和楽器」と「西洋楽器」の違いや、日本古来の伝統楽器である「和楽器」の種類についてはご存知ですか?今回は両者の違いについて、「和楽器」にフォーカスしながら詳しく解説します。
和楽器にもいろいろなタイプが存在する
日本古来の伝統楽器である和楽器には50以上の種類があり、実にいろいろなタイプが存在します。わかりやすいように、今回はそれらを大きく「弦楽器」「管楽器」「打楽器」の3タイプに分けて見ていきましょう。
弦楽器
弦楽器はまたの名を「弾きもの」といい、箏や琴、三味線や三線、胡弓、琵琶などの楽器が該当します。弦楽器はその名の通り弦を張っている楽器で、多くの場合は弦を弾いたり擦ったり、何らかの刺激を与えることによって音を得ることが可能です。
管楽器
管楽器はまたの名を「吹きもの」といい、尺八や笙、篠笛、竜笛、篳篥などの楽器が該当します。管楽器は開口部を持つ空洞に向かって息を吹き付けることで音を得ることが可能です。
管楽器の中には木管楽器と金管楽器があり、唇の振動によって音を得るタイプを金管楽器、それ以外の管楽器を木管楽器と呼びます。
打楽器
打楽器はまたの名を「打ちもの」といい、太鼓や鼓、木魚、鈴や鐘などの楽器が該当します。打楽器は楽器そのものを打ったり擦ったり、振ったりすることで音を得ることが可能です。
弦楽器や管楽器と比較して音の得方がシンプルなため、専門家の間では打楽器こそが人類最初の楽器として推測されることが多くあります。
「弦楽器」「管楽器」「打楽器」にはそれぞれの音の得方があり、その音色の違いが一つひとつ魅力的です。どのタイプも和楽器に欠かせない存在であるといえるでしょう。
和楽器・西洋楽器の違い
和楽器と西洋楽器の違いとして明確な点が「音色」です。具体的には、和楽器は動植物を利用して造られており、非常に広い範囲の周波数を含んだ音を一度に響かせます。
というと、まるで和楽器は一つの音を出すにあたりノイズが含まれているかのようにも捉えられますが、その広い範囲の周波数を含んだ音色は和楽器ならではの「揺らぎ」となり、複雑で独特な、音そのものが感情を持っているかのような豊かさがかえってプラスの特徴となっているのです。
一方、西洋楽器は金属や人工物を利用して造られることが多く、その音色は音階や音程が非常に正確で、和楽器でいう「揺らぎ」にあたるようなノイズは含まれないことこそがよさとされています。
和楽器を音そのもので感情を表現できる楽器とするのならば、西洋楽器はまるで機械のような正確な音をつむいだ音楽で感情を表現する楽器ともいえるかもしれません。
また、和楽器と西洋楽器では「演奏方法」にも大きな違いがあります。
まず、和楽器は楽器そのものから音を出すだけではなく、奏者の体の動きや掛け声など、楽器を弾くだけにとどまらない演奏方法を取り入れており、どこか演劇のような雰囲気を有しています。対する西洋楽器はその音色同様、音楽を一糸乱れず正確に奏でる演奏方法が特徴的です。
このように、同じ楽器とはいえ和楽器と西洋楽器には表情の異なる大きな違いがあります。
和楽器の魅力は?
和楽器の魅力として真っ先に挙げられるのはやはりその「音色」です。西洋楽器との違いでもある「揺らぎ」を持ったその音色は、聴く人の心に訴えかけるような大胆かつ繊細な演奏をすることを可能にします。
和楽器は日本の古典曲や伝統曲を奏でるのに適しているのはもちろんのこと、近年では和楽器バンドのような形で、映画音楽やポップス、歌謡曲のカバー演奏までを器用にこなしており、国内外で非常に人気が高まっています。
西洋楽器とは異なる造りや演奏方法によって奏でられる和楽器の音色は和楽器でしか得られない固有のものであるため、たとえ弦を弾いたり息を吹き込んだりするという奏者の基本動作や演奏する楽譜が同じであったとしても、やはり西洋楽器とは異なった印象になるのが特徴であり魅力です。
和楽器ならではの独特な音色は、西洋楽器では表現できない領域を表現できるため、近年では動画サイトに和楽器を使った西洋音楽が投稿されることも増えており、和楽器は日本のよさを伝える一手段としても非常に魅力的であるといえるでしょう。
今回は「和楽器」と「西洋楽器」の違いについて、「和楽器」にフォーカスしながら詳しく解説しました。「弦楽器」「管楽器」「打楽器」の3タイプに大別される和楽器は、西洋楽器とは異なる複雑で独特な音色を有し、西洋楽器では表現できない領域を表現できる魅力的な楽器です。
そんな和楽器は、知れば知るほど奥が深いことがわかるでしょう。この記事を読んで和楽器に対して興味が湧いた方は、実際に本物に触れて、和楽器に対する理解をさらに深めてみるのもよいかもしれませんよ。