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意外と作るのが難しい楽器?尺八の制作手順について学ぼう!

公開日:2021/07/15  


長い歴史を持つ尺八は、それにふさわしい手間をかけ一本一本作られます。近年では入門用の安価なものも見られますが、やはり本格的な真竹の尺八は格別なものです。興味がない方でも、特別なオーラを感じられることでしょう。ここでは尺八の歴史や流派ができるまでの過程、制作手順についてお話ししていきます。

尺八とは?

日本古来の楽器「尺八」は、息を唄口に当てて音を出す縦笛の一種。リードやマウスピースを用いずに音を出しますから、フルートなどと同じエアリード楽器に分類されます。時代劇で虚無僧(こむそう)が吹いているのがおなじみとなっており、年配者に愛好者が多いと思われがちですが、近年では若者の間でも尺八の人気は上昇しています。「和楽器バンド」の人気がブームを後押ししているようです。

■初心者向け尺八の買取りは厳し目

尺八の入門者がまず手にするのは、樹脂や木でできた安価なものです。竹製の本格的なものほど、取扱いに気を使わないのもメリットです。とはいえ樹脂や木製尺八の買取りとなると、価格は厳しくなってしまいがち。使用感がほとんどないなど状態がよかったり、教則本がセットになっていたりするもの以外の需要は見込めません。

尺八の歴史を知ろう!

尺八が中国大陸から伝来したのは奈良時代。現存する日本最古のものは、東大寺正倉院に収められている「六孔三節」のものです。六孔とは指で抑える孔が6つ空いているという意味ですが、現在主流となっている尺八は五孔三節となっていますから、伝来して以来、日本で独自に進化したことがわかります。

■虚無僧の登場とともに広まりを見せる

伝来当初は雅楽を演奏するために用いられていた尺八ですが、宮廷では使われなくなっていきます。その一方で鎌倉時代になると虚無僧が登場。彼らが携えていた尺八が、現在のものの祖先となっています。虚無僧は禅宗の一派「普化宗(ふけしゅう)」の僧侶のことですが、彼らは精神修養の一環として尺八を演奏しました。

江戸時代になると普化宗・虚無僧は全盛期となり、全国を自由に旅できる特権を幕府から与えられるとともに、尺八も広く知られるようになりました。その裏で隠密の役割も担っていたといいますが、虚無僧の中には尺八を教える者もあらわれて人気となり「琴古流(きんこりゅう)」として現代に至っています。琴古流の創設者、黒田藩々士・黒沢琴古は全国に伝わる虚無僧の楽曲を再編したことで知られています。

■尺八・都山流の成立

尺八の名人、初代・中尾都山(とざん)が登場したのは明治時代。虚無僧が演奏する宗教的なものではない新しい楽曲を発表したり、「春の海」で知られる筝曲家(琴奏者)・宮城道雄らと演奏を行ったりして、尺八の普及に務めました。一方で家元制度も整えることで「都山流」を樹立。琴古流と並ぶ、一大勢力となっています。

尺八の制作手順

本格的な尺八に用いられるのは真竹(まだけ)、水分を含まないものがよいとされていますから、採集は空気が乾燥する真冬に行われます。採集された竹は油を抜くために火であぶられ、同時にまっすぐになるように万力で矯正され、見栄えがよいように根の部分の形が整えられます。これらの工程がすむと天日干しと陰干しを行い、竹を熟成させます。期間は尺八の職人によってさまざまですが、よい音を出すために、長い場合は3年間も熟成させるといいます。

■矯め直し(ためなおし)~ホゾ作り

竹の熟成が終わったら、竹がまっすぐになるように再び矯正し(矯め直し)、息を吹き込む唄口(うたぐち)と、真ん中の継ぎの部分(中継ぎ)の長さに切り取ります。次に筒になるように節を抜き、中継ぎの部分に接続するためのホゾを作っていきます。

■指孔あけ~唄口の加工~地付け

ホゾで2本の竹をしっかりと継いだら、指で押さえる孔をあけて音階を取れるようにし、唄口を水牛の角で補強します。尺八の内側の加工も行い、地と呼ばれる塗料で整えて調律が終わると、最後の仕上げへと入っていきます。

■仕上げ~完成へ

調律が終わり内側に漆を一塗りすると、外観の仕上げへと入ります。中継ぎの部分、銅板や銀線など用いて補強を兼ねた装飾を施し、全体に磨きをかけると、ようやく味わいのある一本が完成するのです。

 

単純で素朴な楽器に見える尺八ですが、実は大変な手間がかかっているものです。とくに音程を左右する地付けの作業は音を出しては少し削り、少し削っては音を出し、また地付けを繰り返すことで行われます。職人の耳と繊細な技術が試される、尺八作りの集大成ともいえる作業なのです。

これほどの技術と手間が詰まった尺八ですから、木や樹脂製のものとは異なるオーラを放っています。そんな名品が出て来たならば、ぜひ本物を見抜く目を持った、和楽器を得意とするショップに査定を依頼してください。割れや継ぎの劣化がないなど状態がよく、作家や流派の銘が見られたならば、高価買取が狙えるかもしれません。

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