とくに躓きやすいポイント!尺八で上手く甲音を出すコツとは?
尺八は吹くだけですぐに音を出せる楽器ではありません。吹き方にはコツがあり、音が出ても小さな音しか出せないと悩んでいる人、躓いている人も多いようです。その時は、吹き方のコツをつかみ唇の形を整えれば悩みを解消できるかもしれません。そこでこの記事では、尺八で上手く甲音を出すコツを紹介します。興味のある人は参考にしてください。
尺八の基本的な吹き方
尺八を吹くためには、唇の形や姿勢も重要です。リコーダーのようにすぐに音が出る楽器とは異なり、コツも必要になります。
唇の形
尺八の音が上手く出ない時は、唇の形が原因となっているケースもあります。歯は閉じずに少し開けた状態で、唇は左右に引きましょう。この状態を保ったまま、そのまま吹いてください。ひらがなの『え』の発音をする時の状態で口を閉じるようにします。ただし、えくぼが出るほど唇を閉じる必要ありません。
唇の隙間は数ミリほどにして吹きます。
・唇は尖らせない
・中に巻き込まない
・左右の力は均等にする
・舌は上顎に当てない
・舌は極端に下げない
この時は、必要以上に力まないように気をつけましょう。唇を少し開けて『ウー』と声を出すと口に空間ができます。この状態がベストで、息を安定して吹くことができるでしょう。
尺八の当て方や姿勢
尺八の当て方は、閉じた唇が合わさっているところに歌口の溝を合わせます。尺八の管尻を下げ、・尺八を胴体から40度ほど起こしてください。この時は唇と歌口を近づけ過ぎないように、離れ過ぎないように注意しましょう。
丁度よい角度や距離は、演奏している人の動画などを参考にするとわかりやすいです。初めて尺八を演奏する時には、唇が歌口に近い方が吹きやすいと感じます。近すぎるとよい音は出ないので、歌口を唇の間に空間を作るようにしましょう。
上手く甲音を出すために意識するべき点
尺八の吹き方の中でも難しく、躓く人が多いのが甲音です。甲音(かんおん)とは高い音のことで、音がでない、息の音が混じってキレイな音ではないと悩むことが多くなっています。
甲音を出すコツ
甲音は、呼吸が一定スピードを超えることで音が変化して出るものです。ただ単に、強く吹けばよいという訳ではありません。甲音を出す際は唇だけでなく、気道も意識しましょう。吐く息の量や強さはそのままで、唇の隙間を狭くして気道を細くします。そうすることで甲音を出しやすくなるのです。
甲音を出す息の吹き方
息のスピードを上げるためには、息の通る部分を細くすることが重要です。上唇と下唇の隙間を狭くすれば、吐く息の量や強さはそのままでもスピードを上げられるでしょう。気道を意識して高い声を出すような感じで尺八を吹くと、甲音を出す感覚を掴むことができます。練習する前に高い声を出して、気道がどのように動くのか観察をしてみるといいかもしれませんね。
甲音を出す際の注意点
甲音を出そうとして息を強く出す、大量に出して吹く人がいます。この方法ではキレイな甲音を出すことはできません。
息を強く大量に吹けば一応、甲音は出る
息を大量に強く吹くことで、スピードも上がり甲音は出せます。出すことそのものはできますが、強く吹く方法では思うような演奏はできないでしょう。強く吹く癖がついてしまうと、調整するのが難しくなってしまいます。静かな曲を吹く時などは、バランスが悪くなってしまうでしょう。
甲音の時のみ大きく聞こえてしまうと、バランスが取れなくなり表現の幅を狭めてしまうことにもつながってしまいます。単に甲音が出る状態ではなく、息の量をあまり変えずに甲音を出す練習をしたほうが、演奏しやすくなり表現力も上がるでしょう。
甲音を出す際のポイント
甲音を出すポイントとして重要なのは息の強さです。とくに息を強く吹いて甲音を出している人は、力加減を知ることでキレイな甲音を出せます。
・息の強さは一定に吹く
・気道を狭めることを意識する
この2つを意識しながら甲音になる気道の状態を探り、唇の変化や力加減を探っていきましょう。練習の際は、同じ音程で練習を繰り返すのもポイントです。音程によって力加減も変わります。
まずは、同じ音程で甲音を練習して、慣れてきたら次の音程の練習を行ってください。コツがわかり、甲音を出す感覚をつかむことができれば、他の音程もスムーズに練習ができます。
甲音は直ぐにマスターできるものではない
甲音はコツがわかっても、すぐにできるようになるものではありません。何度も試行錯誤して感覚をつかみ、体に覚えさせることで上達します。甲音は躓く人が多く、途中で挫折してしまう場合もあるでしょう。まずは、楽しく尺八を吹くことから始めると気長に練習できます。無理をせずに楽しみながら練習ができたら上達も早そうですね。
尺八で上手く甲音を出すコツを紹介しました。『音が出ない』、『キレイな音色にならない』、『高い音が出ない』など、とくに甲音の出し方には躓く人が多いようです。息の吹き方だけでなく、唇の形や気道、姿勢なども関係してきます。コツがわかってもすぐに甲音が出る訳でもないため、練習が必要です。無理に練習しても辛いだけなので、楽しみながら気長に頑張りましょう。