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尺八はかつて修行の道具だった?虚無僧と楽器の関係とは

公開日:2022/08/15   最終更新日:2022/08/19

尺八はかつて修行の道具だった?

日本の木管楽器のひとつである尺八は、奈良時代に中国の唐から来日しました。尺八と聞くと、虚無僧をイメージする人も多いのではないでしょうか?かつては虚無僧が修行する道具といわれており、深い関係を持っている楽器です。今回は尺八と虚無僧との関係について解説します。ぜひ参考にしてください。

尺八は虚無僧の修行の一環として演奏されていた

尺八が奈良時代に日本に入ってきた頃は、宮中楽器として親しまれていました。しかし、平安時代に入ると徐々に、尺八の文化が衰退します。

その後、15世紀に尺八を吹いて門付け(大道芸の一種で、人家や商店の門口に立って音楽を演奏したり、芸能を披露したりする人のこと)をする「薦僧(こもそう)」が登場。彼らは「普化宗」と呼ばれる禅宗の一派を作ります。

普化宗は江戸時代の幕府から公認され、彼らは虚無僧と呼ばれるようになりました。尺八の演奏は座禅と同じように、虚無僧の精神修行のひとつとされ、虚無僧のみが演奏するものともされていました。

一般人が尺八を吹くことや一般人への教授、箏や三絃などとの合奏も禁止。しかし、これらは建前で、実際には一般人の中にも尺八を吹く者がいたり、箏や三絃などとの合奏が行われていたりしたようです。1871年に普化宗は政府によって解体されました。

江戸幕府から公認されていたことが、国民の平等をかかげていた明治新政府からすると、邪魔な存在と思われたのでしょう。その結果、虚無僧は尺八の師匠などに転じ、尺八が一般民衆の間に普及し始めました。

そもそも虚無僧とは

そもそも虚無僧とはどのようなものなのでしょうか?前述したように、虚無僧はもともと、普化宗と呼ばれる禅宗の一派から誕生しました。

つまり、普化宗の僧を指します。「ぼろんじ」「暮露(ぼろ)」「ぼろぼろ」などと呼ばれることもあるでしょう。首から袈裟(けさ)と餉箱(げばこ)をかけ、精神修行の道具である尺八を吹きながらたくさんの家を回り、托鉢を受けて生活していました。

僧を名乗っているものの、剃髪をせず、半僧半俗の存在として知られています。喜捨を乞いながら日本全国を行脚修行し、旅行するときは藍色の綿服と脚袢、甲掛、わらじを身につけていました。1871年に虚無僧は解体されましたが、1888年の明暗教会設立にともなって、虚無僧行脚が復活しています。

現代に伝わっている虚無僧と尺八

現在ではテレビや映画の世界以外で虚無僧の姿を見かけることがほとんどなく、まるで遠い昔の存在だったように思われているかもしれません。

しかし、現代でもいくつかのお寺に虚無僧文化が残っています。たとえば、福岡県福岡市博多区御供所町にある西光寺内には、虚無僧寺の一朝軒があります。

一朝軒では「一朝軒伝法竹(でんぽうちく)」と呼ばれる尺八の曲が伝わり、いまも看主が尺八の伝統を守っているのです。また、一般人が尺八を学ぶこともできます。

尺八の流派は大きく2つに分けられる

尺八と一口にいっても、現在は大きく2つの流派に分けられます。「琴古流(きんこりゅう)」と「都山流(とざんりゅう)」の2つです。それぞれの特徴を以下で見ていきましょう。

琴古流の特徴

琴古流は福岡黒田藩の武士だった、黒沢琴古を開祖とする流派です。江戸時代からある流派で歴史が深く、とくに古典演奏に秀でているといわれています。

大きな特徴のひとつが、音色に深い味わいがあること。一音一音がまるで禅の呼吸に通じるようで、力強さを持ちつつ、味わい深い演奏を奏でてくれます。琴古流独自の演奏技法を持ち、西洋楽器にはない響きを表現できるでしょう。

師範になるための決まった試験がなく、各師匠の判断で免状を発行する組織が多いことも特徴です。ただし、字体に独特の趣があることから、楽譜を読むためには一定の慣れが求められます。

都山流の特徴

もうひとつの大きな流派は、都山流です。明治時代に入ってからできた流派で、中尾都山を開祖としています。

普化宗の影響を直接受けなかったものの、文明開化の風を受けていることから、琴古流と比べてモダンな曲を多く持っているが特徴です。楽譜が小節で区切られていることから読みやすく、また、尺八自体の音程バランスが取りやすいことからも、琴古流と比べて演奏しやすくなっています。

尺八の伝統性を保ちつつ、現代的な風合いがプラスされ、さらに多くの場に適用できることから、もっとも演奏人口が多い流派です。師範になるための試験がありますが、組織自体が大きいため、師匠を比較的探しやすいでしょう。

まとめ

尺八と聞くと虚無僧をイメージするかもしれませんが、確かに元々は虚無僧が修行する道具として使われていました。

普化宗では「尺八を吹くことで悟りを得る」とされており、当時の虚無僧は尺八を吹きながら各地を回り、托鉢に勤しんでいたのです。

現在では虚無僧の姿を街中で見かけることはほとんどなくなりましたが、尺八の文化は身近に広がっています。流派によって演奏技法や歌口の形状、楽譜などが異なるため、違いを比較してみるのがおすすめです。

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