意外と吹くのが難しい?尺八の基本的な音の出し方を学ぼう!
尺八を吹いてみたけれど、思うように音が出せない・・・そのような時は、尺八の音が出る仕組みや音の出し方を知ることで、音が出せるようになるかもしれません。とくに初心者は、尺八の音が鳴らないということがあるので、まずは、音の出し方のコツを知りましょう。
尺八の音が出る仕組みは?
尺八といえば、見た目はリコーダーに少し似ていますね。音が出る仕組み自体は、リコーダーと尺八で違いはありません。それなら、リコーダーが吹けるのにどうして尺八は吹けないの?となってしまいますよね。でも、尺八とリコーダーには、ひとつ違いがあるのです。それは、息の吹き込み口の形状です。
リコーダーには、息を吹き込みやすくしている先端部分があるのですが、尺八にはそれがありません。リコーダーは、先端部分に息を吹き込むと、一定の方向に息を通すことができるので、音がスムーズに出しやすいです。
しかし、尺八の場合は、一定方向に息を通すために、自分で調整しなければいけないという点が難しいのです。自分で息をあてる場所を変えながら、音を出していくので音が出ないという人は、あて方が間違っているということになります。
また、息を出す速さや勢いも尺八の音と関係するので、こういった点も調整が難しいといえるでしょう。しかし、このような難しさがあるからこそ、独特の音色が出せるというのも尺八の魅力です。リコーダーの音色はひとつですが、尺八は何通りも音が出せますよ。
尺八の基本的な音の出し方
では、どのようにすれば尺八の音を出せるのでしょうか。まず、最初からたくさんの音を出そうとするのは難しいため、1音だけ練習しましょう。尺八は、指で孔を押さえるほど、音出しが難しくなってしまいます。孔はふさがないで音出しの練習をしてください。
まずは、尺八に口をあてないようにしながら、下あごで歌口の横のあご当たりの穴を半分ふさぎます。そして力を抜いてリラックスしましょう。そのまま唇から息をプーっと吹き、歌口の中心に息があたるようにしてください。この時、息は前方に吹きかけるような気持ちでプーっと吹きましょう。
もしこれでもなかなか音が出ないなという場合は、アダプターを使ってみるとよいかもしれません。尺八をリコーダーのようにして吹くことができるアダプターを使うことで、初心者も音が出しやすくなりますよ。アダプターを歌口にさすだけで、尺八の音が簡単に出せるのです。しかし、これはずっと使い続けるというわけにはいかないものなので、最初に音が出る喜びや楽しさを実感できたら、後は先ほどの練習方法で、音出しを頑張ってみてください。
尺八の持ち方にも気を使おう!
尺八は、右手を下にして持つのが正しい持ち方です。右手の中指を一番下の孔とその上の孔の中心部分に置いてその裏側に親指をあてるようにします。これで尺八をしっかり支えてください。左手は尺八の孔を押さえていきますが、音を出す練習では、まずはふさがないで始めるので、楽な位置に置いてください。
孔を押さえて練習するようになった時は、指先で握り締める力に注意しましょう。力を入れ過ぎると音が出にくくなってしまいます。リコーダーと比べると、孔が大きいのでどうしても力が入りがちになってしまいます。吹くときは、姿勢にも注意してください。
尺八は座って吹くことも、立って吹くこともあるのですが、どちらであっても背筋を伸ばして吹きましょう。猫背になってしまうと音が出にくくなります。尺八を持つ角度は、身体に対して45度にします握りこぶしひとつ分くらいひじを身体から離します。初めての場合は、持ち方はそこまで気にしないで、とにかく姿勢と息の吹き方をマスターすることから始めてみてください。
練習後に忘れてはいけないのは
尺八を吹く練習をした後は、必ずしなければならないことがあります。それは、尺八のお手入れです。尺八を拭いた後は、柔らかな布を使って管内の露気を取り除くようにしてください。これを行っておかないと、ひび割れなどの原因となってしまいます。
竹や木製でない場合は、ひび割れの心配はないのですが、カビやニオイが発生するなど衛生的にもよくないので、必ず拭き取りましょう。そして表面も乾拭きしてください。手についている汚れも付着しますので、表面のお手入れも欠かせません。お手入れが終わったら、専用の袋に入れて保管します。
袋は専用のモノがない場合、市販されているビニール袋などで代用することも可能です。保管する場所は、気温の変化が少ない場所にしましょう。とくに竹や木製の尺八の場合は、温度変化に注意が必要です。暑すぎるところ、寒すぎるところ、湿気の多い場所は避けて保管するようにしてください。丁寧にお手入れすることで、長く使うことができます。
尺八を吹くのが難しいと感じる人のために、尺八の吹き方についてご紹介しました。最初は少し難しく感じるかもしれません。ですが少しずつ音の出し方をマスターして、尺八をどんどん楽しんでくださいね。